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私は糖尿病です【I have diabetes...】

私は糖尿病患者です。管理人が自分の戒め、そして備忘録としてここに糖尿病についての情報・知識・思っていることを綴っています。深い意味はありません。ただ、患者がどのように思い、どのように生活しているかを知って欲しい…。そしてあなたの身近な大切な方の支えになってあげてください。

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糖尿病の治療

 糖尿病と診断された時点では、治療の当座の目的として、代謝を安定させ、正常な体重に戻し、高い血糖からくる症状を取り除くことを考えます。病気進行中での目標となるのは、寿命をのばし、症状を軽減し、長期化する合併症にならないように気をつけることです。いずれの場合も、糖尿病教育、綿密な食生活管理と体重コントロール療法、薬物療法、身体活動、自己測定、足の衛生管理などを通して療養します。糖尿病の治療の基本は次の3つです。

①食事療法 ②運動療法 ③薬物療法

※最も重要で基本的な治療法は、①の食事療法ですが、その他の治療も全て大事だということを肝に銘じる必要があります。

食事療法

 糖尿病はインスリンの分泌や作用する力が不足して起こる病気です。もともとインスリンの量や作用が不足している人が、食物を多くとりすぎれば、インスリンによる糖分の処理が追いつかず、血糖値が上がります。高血糖の状態が長く続けば、すい臓がインスリンを分泌する力がさらに衰えます。食事によって体内に入るブドウ糖の量そのものを調節する食事療法が、糖尿病治療に必要なのです。 食事をきちんと制限しておかないと、他の治療を行ってもなかなか効果は上がりません
 食事療法の基本的な考え方は、栄養を最低限に抑え、すい臓の負担を軽くし、すい臓の十分な能力を回復させることです。糖尿病の食事療法では、食べていい食品、悪い食品があるというものではありません。 どんな食品でもとりすぎなければ体に良いし(し好品は少量でもよくありません)、とりすぎればどんな食品でも体に悪いという事です。適正なエネルギーを守り、バランス良く食べるということが基本です。
 食事療法は糖尿病のタイプにより異なります。1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)では、食事時間、量、種類を均一に保つことが大切で、それにより食べ物とインスリンがうまく作用しあって血糖値が調整されます。食べ物とインスリンのバランスが取れないと、血糖値の安定を保つことは難しくなります。2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)では、体重コントロールとバランス食がもっとも重要です。
 糖尿病の人は、献立作りや食事療法を有資格の栄養士や食事療法カウンセラーに相談するとよいでしょう。

どんな食事をすればいいのか

●適正なエネルギー量の食事を心がけましょう
 糖尿病の人の年齢や性別、身体の大きさ、運動量によって適正なエネルギー量はひとりひとり違います。医療スタッフに決めてもらいましょう。医師から渡された食事指示表にしたがって1日の総エネルギーをきちんと守りましょう。決められたカロリーの範囲内で、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルをバランスよくとる工夫が大切です。 食品交換表を上手に使いこなしましょう。食品交換表とは、日常食べている多くの食品を、どのような栄養素が含まれているかによって、6つの食品グループ(6つのカテゴリ)に分けています。同じ表の食品は、含まれている栄養素がほぼ同じになるようにしてあり、それぞれの食品1単位(80キロカロリー)にあたる量をグラムで表示しています。同じカテゴリの中に入る食品は、交換して食べることができます。
  例えば、ごはんと食パンはどちらも表1グループの食品ですが、それぞれごはん50gと食パン30gが1単位となっているので、好みに合わせて交換して食べることができます。 しかし、同じ1単位でもごはん50gは表1、木綿豆腐100gは表3に入るので、交換することはできません。 食品交換表がわかるようになると、適正な量で栄養バランスのよい食事の献立が誰にも手軽につくれるようになります。

●栄養のバランスがとれた食事を心がけましょう
 食事療法では、食べてはいけない食品というのはあまりありませんから、いろいろな食品をとり合わせて、からだに必要な栄養をバランスよくとることが大切です。

●規則的な食事習慣を心がけましょう
 糖尿病では、1日の総エネルギー量を3食にわけて、できるだけ均等に食べることが大切です。「まとめ食い」をすると血糖のコントロールがうまくいきません。 できるだけ毎日、決まった時間に食事をとることを心がけ、食事時間は余裕を持ってゆっくりとりましょう。

食事療法のポイント

 食事療法のパートナーとも言われる「食品交換表」を上手に使いこなすためには、ただまねをするだけではなく、チョットした工夫を加えることが大切です。

●基本は間食をせず、朝・昼・晩の食事をきちんととることです。

●コーヒーや紅茶には砂糖は入れません。家庭では代用甘味料を使います。

●仕事場での昼食は、なるべくなら弁当持参で。 やむをえず外食をする時は、なるべく単純な和食、和風の定食を。

●じっくりとよく噛んで食べましょう。 よく噛まずに急いで食べると満腹感が得られません。そのため、つい食べすぎてしまったりします。

●香辛料や酢、レモンなどを使ってうす味に。 香辛料や酢、レモンなどを使ってうす味に。うす味にしただけでは、おいしくないことがあります。香辛料や酢、レモンなどを上手に使って味を引きたて、おいしく食べられるよう工夫しましょう。

●味つけが単調になりがちなので、調味料や香辛料、ハーブ類などバリエーションを変えながら使ってみましょう。

●マーガリンやドレッシング、油炒めなどはカロリーが高いので注意しましょう。

●コンニャク、きのこ、野菜など食物繊維をたっぷりと。 食物繊維は食後の血糖上昇をおさえるなどの作用があります。また食物繊維を多く含む食品はボリュームのあるものが多いので、食事のカサをふやす効果もあります。

●おかずは少量ずつ、品数を多く。 食事の量が制限されると、食卓がさびしくなりがちです。おかず一品の量を減らして、その分品数をふやせば満足感が得られます。

● 野菜、海草、玄米、麦ごはん、果物などから食物繊維を積極的にとりましょう。 主菜をとりすぎる場合が多いので、おかずの量に注意しましょう。

食事療法は長続きさせることが必要です。

運動療法

 定期的に運動することはだれにも必要なことですが規則正しい運動は糖尿病の人には特に大切です。定期的な運動は血中の糖質をコントロールし、理想体重に近づけるために余分なエネルギーや脂肪を燃焼させます。運動すると血流がよくなり、血圧も修正されて全身を健康に保ちます。また、運動はエネルギーの源であり、緊張をほぐしストレスに対処する能力を強めます。
  運動療法を始める際は健康をチェックする必要がありますが、とくに糖尿病がある時は医師の承諾を得てください。また、運動をする際は、次の点に留意してください。

●健康状態によく合って、しかも楽しい運動を選ぶこと。

●毎日運動すること。できるなら決った時間に。

●運動の前後には、家庭用の検査機で血糖値をチェックすること。

●運動中や運動後に血糖値が下がり過ぎることもあるので、糖分を含む食品を常に持ちあるくこと。

●緊急事態が発生した時のために、糖尿病患者カードと、緊急の場合に電話を使えるように携帯電話や小銭を携帯する。

●運動の最中または後には糖分を含まない水分を充分に補給します。

●運動の強さと時間を変えると、血糖値を適正なレベルに保つために食事や薬を修正することもあります。

薬物療法

インスリン

 インスリンは血糖(ブドウ糖)が血管を出て細胞に取り込まれる作用を促進し、血糖を下げる働きをします。人は皆、生きていくためにインスリンを必要としています。
 1型糖尿病の人は、自分でインスリンをつくることができないため生命を維持するためにはインスリン注射を毎日しなければなりません。2型糖尿病の人は、インスリンは作られていても、有効に利用されていません。インスリン注射はしなくても生命に異常はありませんが、経口の血糖降下薬では血糖値をうまくコントロールできなかったり、反応が悪い場合は、血糖値をコントロールするためにインスリンは投与されることがあります。また、感染、けが、手術、妊娠の間にインスリンを投与されることもあります。
 インスリンは注射筒を使って皮下に注射するか、またはインスリンポンプを使って皮下に注入します。インスリンは内服することは出来ませんので経口のインスリンはありません。
 インスリンにはいくつかのタイプがあり、作用するまでの所要時間と効力の持続時間が異なります。どのタイプのインスリンを使用するかは医師が患者の血糖値を見ながら決定します。また血糖を最適常態に保つために、異なるタイプのインスリンを混ぜ合わせることもあります。インスリン注射は、通常1日1回から4回の注射が必要です。インスリン注射が必要な人は、医師や医師が紹介する糖尿病教育担当者から自分でインスリン自己注射の方法を教わります。インスリン注射をしている人は血糖値が低くなり過ぎた(低血糖)時などのためにブドウ糖やアメなど糖分を所持する必要があります。
 インスリンの自己注射の仕方を学ぶことは必要なことです。また、インスリン注射の仕方を覚えてくれる友人か家族も必要です。そうすれば、インスリン注射の必要な時に、あなたを、助けてくれる人を持つことになります。子供の場合には、自己注射がしっかり出来るような年齢まで、両親の手助けが必要です。

内服薬

 インスリン非依存型糖尿病が、食事や運動で正常な、あるいは正常に近い血糖値を保っていられない時は、薬も治療に加えられます。血糖値を下げるために、1日1回から2回、内服薬(経口血糖降下剤)を服用します。インスリンが正常に機能していない時、この内服薬は血管に放出される糖質を制御、また、インスリンを血液内に導入し、さらに血管から細胞へブドウ糖が入るのを促す働きをして血糖値を下げるはたらきをします。但し、薬では食事や運動の代わりになりません。
 人によっては経口の内服薬に加えてインスリンも補給しなければならないケースもあります。減量に成功して、余分な体重、脂肪、糖質の障壁がなくなると自分のインスリンのはたらきが回復して、薬物療法が必要なくなることもあります。適正体重になると自分の分泌するインスリンが薬より効果的に働くからです。この薬はふつう、妊娠中には使いません。経口内服薬はインスリンではないので、インスリンが不足している人には効果ありません。

教 育

 糖尿病教育は、重要な治療プログラムのひとつです。糖尿病教育にはどうすれば糖尿病と共に生きて行けるかを学ぶことが含まれています糖尿病と診断されたら闘病に必要な知っておかなければならない大切なセルフケアの知識は、各自に専門家や医師がおりおり教えてくれます。適切な患者教育とは、糖尿病をかかえる人が病気をコントロールする方法を生活の中に取り込んで、医者への依存度をできるだけ少なくするよう指導することです。
 糖尿病の治療に当たって最も重要な役割を演ずるのは自分自身です。糖尿病は複雑な病気ですから、糖尿病のコントロールを長年にわたってきちんと行うためには、病気について良く勉強する必要があります。それがあってはじめてこれからの治療が真に役立つのです。
 サバイバル・スキルと呼ばれる基本的な原則とは、次のとおりです。

高い血糖や低い血糖の自覚と対処

 どうしたら血糖値を知り、治療できるか

食事の時間と内容

  どのようにして食べてもよい食品を選ぶか、いつなら食べてもよいのか

処方された場合、経口血糖降下剤の飲み方

  どのようにしてインスリン注射をするのか、経口血糖降下剤服用法

血糖と尿中ケトンを測定して記録する方法

  どのようにして血糖や尿中ケトンを測定し記録するのか

運動をした場合のインスリンや食事の調節

  インシュリンの量と食事の摂取量を、日常の運動や食習慣との兼ね合いの中で調節するのか

症状の重い時期や病気になった時の過ごし方

  病気になったら、どのように対処するのか

糖尿病の薬の買い方と保存法

  どこで糖尿病用の器具を売っているのか、保存はどのようにするのか

 患者が糖尿病管理の基本的な知識を習得し、それが日常生活の中で定着したら(数ヶ月)、教育プログラムによってさらに病気の知識を習得し、どのようにして病気をコントロールし、病気と付き合いながら共に生きてゆくか、また中期から長期の合併症についても学ぶことができます。
  このように十分な糖尿病教育プログラムを受けておくと、糖尿病の今後の展開、糖尿病をコントロールして生活する方法、短期のあるいは長期にわたる合併症の知識などが身につきます。
  糖尿病に関する情報は、毎年最新のものを入手することを勧めます。新しい研究開発により、さらに改善された治療法が日進月歩開拓されているので、各個人が糖尿病に関する知識を常に更新することが大切です。

その他治療に補足的なケア

足のケア

 糖尿病の人は大小の血管や神経にダメージを受け感染に対する抵抗力も弱くなっているおり、血管の損傷、神経障害、感染症にかかりやすくなるなどの合併症をもっているため、足のトラブルに気をつけなければなりません。下肢は血液循環が制約されており、神経にもダメージが生じているので、損傷があっても感染が進むまで気がつきません。皮膚やその他の組織に、切除が必要になるような壊疽が起きます。
  足の怪我を予防するために、糖尿病の人は次のような定期点検を毎日する習慣をつけるとよいでしょう。

●毎日足を調べて、痛み、変化、感染症の徴候があったら報告します。

●毎日足を石けんとぬるま湯で洗い、よく乾かします。

●乾燥した皮膚はローションやゼリー状油をぬってなめらかに保ちます。

●靴は、足にあった履きよい靴で足を守ります。

●血行をよくするために毎日の運動をこころがけます。

●足のトラブルが発生したら足の専門医に相談し、うおの目やたこは取り除いてもらいます。

●普段も医師の診察を受ける時は、靴と靴下を脱いで、足の検査も忘れずにしてもらってください。

●喫煙は足の血行を悪くするので、やめるべきです。

タイプ毎の勧められる治療

1型糖尿病

 1型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)であることが解ったら、血糖がコントロールできるまで入院する必要があります。治療には食事、運動そして薬剤投与間のバランスが必要です。
 1型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)の最も新しい治療法の1つに膵臓移植があります。インスリンを作る細胞そのものの移植もまた研究され始めました。 新しいインスリンポンプも開発されつつあります。このポンプは患者の血糖レベルを測定し、正しい血糖に見合うインスリンを送り出すものです。

2型糖尿病

 インスリン非依存型糖尿病では、体重管理と良いバランス食が大切です。インスリン非依存型糖尿病の患者の中には、糖尿病が治っていないにもかかわらず、減量に成功したあとで薬をやめるケースもあります。栄養士や食物カウンセラーに相談するのもたいへん良い方法です。

妊娠型糖尿病

 治療の目的は、妊娠中を通して血糖値を正常値の範囲に入るようにコントロールし、胎児の健康状態(注:発育などの)を確実にすることです。 妊娠中を通して、母体と胎児の状態を詳しくチェックするようにしましょう。血糖値の自己測定によって、母子のケアに本人も参加します。胎児の大きさ、発育状態を確認するために、超音波検査を行うことがあります。
 食事療法によって、妊娠時に必要なカロリーや栄養を適切に摂取し、血糖値をコントロールすることができます。妊娠中に認定栄養士と栄養相談することが重要です。食事療法を実践しても血糖値が正常値の範囲内に入らないときは、インスリン療法が必要になります。インスリンを使って、効果的な治療を行うためには、自分で血糖測定することが必要です。

支援グループ

 ストレスは共通する経験や問題を分かち合えるメンバーのいる支援グループに参加することで、軽減され楽になります。